薬剤師やってます。

勤務・薬局経営を経験した薬剤師が業界の話題からつぶやきます。子供を亡くしたため、精神世界のハナシもあるかも。

プルースト効果

朝はローズマリー&レモンの香りをかぐ・・交感神経を活性化

夜はラベンダー&オレンジの香りをかぐ・・副交感神経を優位に働かせ興奮を抑える。

この方法を28日間続けた結果、認知機能の優位な改善がみられた。

JinboD,et,al.Psychogeriantrics.2009.9:173-179

 

香りに結びついて記憶が予備起こされる現象を小説「失われた時を求めて」に因んで「プルースト効果」と呼ぶそうです。

 

この手の報告はたくさんあるのですが、ではやってみよう、という人は少ないです。

あまり信用できないと思っているのでしょう。

でも、理屈から言えば、試してみる価値はありそうです。

 

何もしない医師がいいのか、何でもしちゃう医師がいいのか。

The physician knows everything and does nothing.
The surgeon knows nothing and does everything.
The psychiatrist knows nothing and does nothing.
The pathologist knows everything, but always a week too late.

・・Medical Humourより

「内科医は何でも知っているけど何もしてくれない」

ここだけ切り出すと、怖いユーモアですね。

精神科医は何も知らないし、何もしてくれない」

というか、

例えば認知症。最近、βアミロイド生成過程に疑問が出てきたようで、

要するにわからないのです。だから、何もできない。

薬を飲んでも、なぜ効く人と効かない人がいるのかよくわからない。

だから、必ず「飲んで下さい」と医師は言えないのです。

最初から、無理があるのですよね。

 

 

 

有り余るもの、不足するもの

解熱剤のアスピリンアセトアミノフェンが品薄。原薬メーカーの山本化学工業が免許の関係で出荷を停止しているという。

「バイアスピリン」は大丈夫だろうか?

「PL顆粒」は?

地震や災害で工場が被害に合うなどして、以前、「シグマート」「エンシュアリキッド」が品切れした事があった。当店は、何とか切り抜けたが、卸の支店の中でも、こんな時は担当セールス同士で品物の取り合いになる。

自分の担当の医院や薬局に品を回し、点数を稼せげるチャンスなのだから。

結果、不足といいながら、返品する施設もあるのだから言葉がない。

 

インフルエンザワクチンも、又、品薄。

医療機関は季節が終わると必ず返品するのだから、流通の問題だと思うのだが。

生産量は昨年の105% とか。

不足するワケはないのだが、なぜか横浜でも品切れ状態。

医療職がワクチンを打たないと、インフル流行時に働けないので、

ぜひともぜひとも、現場には優先的に回してほしいところだ。

 

有名な口内炎の薬「ケナログ」は製造中止の案内が来た。

「諸般の事情により」だそうだ。

でも「アフタッチ」があるか。

 

よい薬でも、安い薬は淘汰されてゆく。

我々アポには処方権がないのだから、あきらめるしかない・・・

いよいよ新インフル薬 登場か

塩野義製薬によると、

S-033188は、成人または小児を問わず、経口による1回のみの錠剤の服用で治療が完結するため、利便性が高く、確実なアドヒアランスが期待できるという。

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症を適応症として、2017年10月25日付で日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表。

厚生労働省の先駆け審査制度の指定となっている。

従来のインフル薬は、吸入であったり、点滴薬であったり、と使いにくい面があった。

当薬は、のみ薬で、A型、B方両方にOK。

正に画期的。

インフルウイルスは、我々の細胞の設計図であるmRNAの頭部分を切り取り、乗っ取って細胞を殺してしまうが、この作用を逆手に取り、頭部分を切り取る酵素をやっつけてしまう薬を開発した、という戦略らしい。

とてもウマイ話だ。

医療ケアマネが経験した、印象に残らない患者さん

 「くやしいから」介護保険を使おうと思う、そんな人も多い。
Aさん、ご主人が退職したので、これから夫婦でゆっくり人生を楽しもう、そう思って、住宅をバリアフリーにきれいに改修したのに、
ご主人が「がん」になってしまった。余命も月単位に切られてしまった。

くやしいから、使える制度は何でも使おうと思ってるの!

そうおっしゃった。
 介護保険事業者は、事前調査を行う。患者さんが入院中に、病院や自宅を訪問し、必要なサービスを家族と相談したり、訪問診療の先生を探したり、環境整備をする。
 環境が整ったところで、Aさんのご主人は自宅に退院した。
退院したその日に自宅を訪問すると、ご本人はレンタルベッドでいびきをかいて寝ておられた。
翌日は土・日曜日で、月曜日に「辛いから」病院に逆もどり。
ケアマネと御主人と一言も会話することなく、そのまま病院で亡くなられた。介護保険利用は2泊だけだった。
数年が経った今では、Aさんの御主人がどんな顔だったのかも思い出せない。
 事業者は常に赤字を覚悟でこんなケースにのぞまなければならないため、逆に、その赤字を挽回しようと、
全体的にサラッと手をかけずに流すようになる。それもしょうがないと、許してもらわざるを得ない。

 

 Bさんは、がんの治療中。退院するに当たって、病院から紹介され、レンタルベッドを利用する事となった。
訪問のアポ取りして自宅にうかがったが、家族は留守で、本人が一人、ベッドに寝ておられた。
病人と長時間、話をするわけにもいかないので、サインだけもらい、退室したが、
すぐに再入院となり、ベッドは回収撤去となった。
 その後、どうなったのか、患者さん側からも病院からも連絡はなし。
Bさんにとっては、私たち介護事業者はただの通過点だったのだろう。
Bさんのマンションの前を通るたび、お互いに通過点だったのだ、と思う。
もちろん、Bさん家族はケアマネージャーを利用したことさえ知らないのだろうなあ。

医療ケアマネの経験談・チャッカリ独居の人達

看取りは血縁者でなくても構わないんだ、と思った2例

 

Aさんはアル中。男性。妻に先立たれて悲しみからアル中になってしまい、寝たきりとなり褥瘡までできた。褥瘡の手当てに呼ばれ、訪問するとそこには赤の他人の年上の女性が。

彼女は、オムツを替えたり、褥瘡の洗浄を教えるとそれもやってくれ、結構役に立つ。重宝なので、つい、色々頼んでしまった。

男性の実の子供たちは、「女」が気に食わないのだが、遠方に在住しているため彼女に頼らざらるを得ない。「女」はチャッカリ、男性のお金で、男性の家に居座り、生活している。スナックで知り合った仲らしい。

遠くの親戚より近くの他人、との言葉通りのケースだった。

 

Bさん女性は、がん末期で自宅には介護する人が誰もいないのに、強い希望により退院してきた。退院すると早速、保険会社にチャッカリ、携帯から電話。受け取り人は、「カラオケあらし」の店長。カラオケで知り合ったそうだ。

他人が生命保険の受け取り??不思議に思ったが、ご主人は精神科に長期入院中とのこと。

女性はがんの痛みが強く、体力も衰弱し、ベッドから落ちて、そのたびに「カラオケあらし」の店長から電話がくる。「だってホッてはおけない!」そうだ。赤の他人だけど、鍵を預かり、日夜、看病している。

女性はとうとう、再入院となり、店長の話によると、「病院中に響きわたるような痛みの叫び声を聴きながら」かわいそうな女性を看取ったそうだ。亡くなった後の自宅のレンタルベッドの引き渡しも店長が行った。

これなら、保険金の受け取り人になるのも、ハナシはわかる。

 

人生の最期の時、「唯一の大事な人」は血縁者とは限らないらしい。

 

 

 

医療ケアマネが経験した孤独死2例

孤独死にもいろいろあると思う。

周りに医療者がいても、これは孤独死だな、と思う例2件。

1つ目

Aさん(男性)は数年前に離婚して独居だったが、脳梗塞の後遺症のため、発語がうまくできず、時々かんしゃくを起こす利用者だった。介護サービス事業者が訪問した時、台所に倒れていて、救急車で救急病院へ搬送された。

しかし、彼は人に迷惑はかけたくない、と、緊急連絡先を誰にも明かしていなかったため、病院では治療も手術もできなかった。その後、意識を取り戻す事なく、病院で死亡したが、入院費を払う人がいなかった。こんなケースは役所に預けられ、生活保護に指定され、彼の貯金は公庫に没収され、入院費は生活保護費から支払われたと聞く。

2つ目

Bさんは50歳代全般の若い介護サービス利用者だった。

事業に失敗したのか、事情があるようで、独居で、がん末期、お金もカスカスだが、最後まで人に頼らない決意があるようだった。毎朝、彼から当社にメールがくる。「おはようございます、今日も生きています。血圧××体温××体調は××」

しかし、呼吸が苦しくなった時、彼は在宅酸素を拒否した。お金がないから。

医師もこれには困ったようで、必死で説得にあたった。結果、酸素は利用してくれる事になったが、最終的には緩和ケアに送られ、看取られた。治療費は遠い親戚が払った。

 

2つの経験したケースをみると、人に迷惑かけない看取りというのはあり得ないと感ずる。又、2人とも意思強固な男性であったと。それだけに、なんともやるせない結末だ。