薬剤師やってます。

勤務・薬局経営を経験した薬剤師が業界の話題からつぶやきます。子供を亡くしたため、精神世界のハナシもあるかも。

息子の遺品を捨てる時

亡くなった息子の遺品の一つ、オーディオセット。今はもう、音が出ない。

彼と二人で電気屋に買いに行き、結構、奮発して買ってやったもの。

下宿に持って行き、使っていたようで、(親は買った事もしばらくは忘れていたが)

彼がいなくなった下宿のラックに置かれていた。

持ち主のいなくなったそれを、そのまま家に持って帰り、13年間も自分の部屋に飾っていた。

 

しばらくは決まった時間にセットの中のラジオが鳴り出して、(彼が目覚ましにセットしたのだろうけど)止め方がわからなくて困っていた。ああ、彼はこの時間に起きたのだなあ、と、鳴るたびに思った。息子の寝起きの息遣いを感じさせ、なつかしく、悲しく、感傷に浸っていた。

 

さすがに10年もたつと、まず、スピーカーの接続が悪くなり、とうとうアンプも音を出さなくなり、

それでも、部屋に、飾りみたいに置いていた。

 

捨てる決心をするのに、13年かかった。もう、捨ててもいい、と思えた。

時は変化してゆく。変化を受け入れなければならない。