薬剤師やってます。

勤務・薬局経営を経験した薬剤師が業界の話題からつぶやきます。子供を亡くしたため、精神世界のハナシもあるかも。

医療ケアマネが経験した、印象に残らない患者さん

 「くやしいから」介護保険を使おうと思う、そんな人も多い。
Aさん、ご主人が退職したので、これから夫婦でゆっくり人生を楽しもう、そう思って、住宅をバリアフリーにきれいに改修したのに、
ご主人が「がん」になってしまった。余命も月単位に切られてしまった。

くやしいから、使える制度は何でも使おうと思ってるの!

そうおっしゃった。
 介護保険事業者は、事前調査を行う。患者さんが入院中に、病院や自宅を訪問し、必要なサービスを家族と相談したり、訪問診療の先生を探したり、環境整備をする。
 環境が整ったところで、Aさんのご主人は自宅に退院した。
退院したその日に自宅を訪問すると、ご本人はレンタルベッドでいびきをかいて寝ておられた。
翌日は土・日曜日で、月曜日に「辛いから」病院に逆もどり。
ケアマネと御主人と一言も会話することなく、そのまま病院で亡くなられた。介護保険利用は2泊だけだった。
数年が経った今では、Aさんの御主人がどんな顔だったのかも思い出せない。
 事業者は常に赤字を覚悟でこんなケースにのぞまなければならないため、逆に、その赤字を挽回しようと、
全体的にサラッと手をかけずに流すようになる。それもしょうがないと、許してもらわざるを得ない。

 

 Bさんは、がんの治療中。退院するに当たって、病院から紹介され、レンタルベッドを利用する事となった。
訪問のアポ取りして自宅にうかがったが、家族は留守で、本人が一人、ベッドに寝ておられた。
病人と長時間、話をするわけにもいかないので、サインだけもらい、退室したが、
すぐに再入院となり、ベッドは回収撤去となった。
 その後、どうなったのか、患者さん側からも病院からも連絡はなし。
Bさんにとっては、私たち介護事業者はただの通過点だったのだろう。
Bさんのマンションの前を通るたび、お互いに通過点だったのだ、と思う。
もちろん、Bさん家族はケアマネージャーを利用したことさえ知らないのだろうなあ。